星「主が気にしておったぞ」
愛紗「な……!?」
星「おや、赤くなった」
愛紗「何故、ご主人様が……貴様!? 私の何を知っているっ」
星「朝から晩までため息ばかりでは、主でなくても気にするというものよ」
愛紗「……ご主人様はなんと仰っていた」
星「ぐびっ」
星「なんと余裕のない。酔っ払いを刃で脅すとは、関雲長の名が泣くぞ」
愛紗「お前が、からかうようなことばかり言うからだ!」
星「おやおや、怖い怖い。はっはははは!」
愛紗「笑うなっ!」
星「恋に捉われれば、人の本性が浮き彫りになるものだ」
愛紗「な……!?」
星「桃香さまの性情は、飛び込み型……とでも言うべきか。少々、視野狭窄のきらいはあるが、あれはあれで清々しい」
星「桃香さまのああした真っ直ぐな好意を、主も快く受け止めているようだ」
愛紗「……」
星「おや、泣くのか?」
愛紗「誰が泣くか!」
星「泣くくらいの可愛げがあればよいものを……この娘はすぐに強がろうとするから、誰も内に秘めた弱さに気付けぬのだ」
愛紗「………っ!? お、お前っ」
星「主はマシな方であるぞ。愛紗の様子がおかしくはないかと、私に相談に来るくらいだ」
愛紗「……そういうお方だ」
星「そうした微笑ましいほどの甲斐甲斐しさが、鉄の女の閉ざされた扉をこじ開けたか」
愛紗「鉄の女とは誰のことだっ!」